葬儀に参列する際はこれだけ知っておけば安心!

葬儀に参列する際は、深い悲しみの中にいる遺族に対して失礼のないよう、適切に弔意を示したいものです。とはいえ、葬儀のマナーというのは普段意識する機会も少なく、地域や宗教によっても大きく異なるため、いざ参列した際に戸惑ってしまう方も非常に多くいらっしゃいます。

そこで今回は「遺族へどのような言葉をかけたらいいのか」「お香典はいくら持参するのがふさわしいのか」といった葬儀にまつわる疑問から、「宗教ごとに異なる葬儀形式」「参列時のお参りの作法」についても詳しく解説をいたします。事前にそうした葬儀マナーをおさえておくことで、遺族の心に寄り添った対応や振る舞いもできるようになるため、ぜひご参考にしてください。

遺族への気遣いを大切にする。まずはここから!

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歳を重ねるにつれて、みなさんも急遽葬儀に参列する機会というのは増えてきますよね?親戚はもちろんのこと、会社や友人関係でお世話になっている方のために行かれることもあります。

かといって参列した経験も少ないし、正直どんな振る舞いをしたらいいかわからない。そう不安に思うことはありますよね?

でも、それは大切な方を亡くされた遺族にとってもそうです。慣れないことをしなくてはいけないのは、遺族も参列者も同じ。

むしろ、遺族のほうが不安なんです。お葬式に参列をすることはあっても、自分達で葬儀をする機会なんてもっと限られていますからね。

人の死はいつ訪れるのかわかりません。また、そこに至るまでには、長年の病気の末に亡くなる方もいれば、突然亡くなってしまった方もいらっしゃいます。そうして亡くされた後の慌しい中で迎えているお葬式です。

故人への想いを尊重し、まずは遺族への気遣いを忘れずにしてくださいね。

どんな言葉をかけたらいいのか。そう戸惑う方もいらっしゃいますよね。

でも大丈夫です。こちらで挙げる最低限のポイントを押さえていれば、恥をかくこともなく、きちんと遺族のことを気遣った振る舞いが出来ますよ!それでは、具体的に参列時におけるポイントから解説します。

通夜と告別式のどちらに参列するべき?

通夜と告別式だと、どちらに参列したらよいのか迷われた経験がありますよね?地域によっても考え方の違う部分です。もちろん親戚や親しい間柄であった場合は、両日参列することも失礼にはあたりません。

ですが、いずれか一方で参列する場合は、基本的にはお通夜に参列するのが望ましいです

通夜と告別式の違いを簡単に説明します。

通夜

本来は遺族が亡くなった故人に付き添い、お線香をあげながら一晩を明かすことをする場でした。現在では、参列者がお参りに来やすいように時間を決めて式として執り行われるようになりました。また、参列者に向けた通夜振る舞いの食事や会葬の品物の用意をされていることがほとんど。

告別式

基本的には親族で集まり、読経の後にお花入れをするなど、火葬前に故人と最後のお別れをする場です。出棺して火葬場へと向かうのもこの告別式の日です。火葬中や火葬後に改めて会食の席を設けることが多いです。

以上の違いは首都圏エリアを中心に多くみられるのですが、このような特徴から、やはり参列者の事情によって設定された通夜のほうへと参列されるほうが望ましいとされます。

やむを得ず、告別式の参列となる場合においては、遺族へと一言、参列する旨の連絡を取ってから伺うのがよろしいでしょう。

ただし、お葬式事情というのは地域によっても大きく変わってくるものです。

たとえば、東北地方などでは、先に火葬をされたあとに通夜や葬儀をする「骨葬」という形式で行われる場合もあります。また、関西地方などでは、通夜振る舞いの席を親族のみで座り、参列者に向けては設けられないこともあります。

昔ながらの考え方に基づき、お通夜は親族だけで行うという地域もあります。

こういった場合においては、必ずしもお通夜に参列することが望ましいとは限りませんので、地域ごとの風習やしきたりをふまえた上で、事前に確認をされたほうがよろしいでしょう。

お香典はいくら持っていけば良い?

お香典を包む金額に悩んだ方も多いですよね。結論から言うと、故人や遺族との関係性で決めるのが良いでしょう。

目安となる金額を記しますので、ご参考にしてください

  • 祖父母:2〜3万円
  • 親戚:1〜2万円
  • 友人・会社関係:5000〜1万円

※上記はあくまで参考金額です。関係性によってはこの金額にこだわる必要はありません。

さて、金額を決めたらお香典を入れる用の袋を用意しましょう。装飾のついた高額な袋もありますが、結婚式とは違うので、コンビニでも売られているような100〜200円ほどの通常のタイプのもので十分です。

稀に葬儀の形式によって表書きを変える場合もあります。例えば『御仏前』や『御花料』『御玉串料』などがそうですね。これは仏教の宗派や、各宗教ごとの違いによるものです。詳しくは以下の記事で解説をさせて頂きますのでそちらを参考にしてください。

とはいってもお葬式の多くは一般的な仏式で執り行われることが多く、また事前に詳しい式の内容がわかることも少ないため、形式が違っても一般的な『御霊前』の表記であれば大丈夫です

恥をかかずにすむお葬式マナー

参列した際に、いざ遺族と顔を合わせて何と言って言葉をかけていいかわかりませんよね?また、参列時の服装や、お焼香をする際の手順など、わかっていないと恥をかくことになりかねません。

まずは、参列時の服装から。基本的には礼服での参列が望ましいです。もちろんネクタイは黒色のものです。

ただし、仕事帰りに参列しなくてはならない場合など、状況によってはスーツや仕事着での参列でも構いません。

続いて、遺族と言葉を交わす際の適切な言葉がけについてです。対面時には以下の言葉をかけましょう。

  • 『この度は誠に御愁傷様です』
  • 『くれぐれもお力落としのないようにしてください』

もちろん、関係性によってはもう少し言葉を変えても失礼にはあたりません。

『体調に気をつけてくださいね』や『力になれることがあったら言って下さいね』

などの言葉がけでもよいでしょう。何よりも遺族を気遣った言葉がけが大事です。

続いて、お焼香の手順について解説します。

お焼香台の前に案内された際に、まずは遺族の席を向いて一礼をします。左右両側に着席している場合は両側へそれぞれ一礼を。

お焼香の回数については、各宗派ごとに違いがあるといわれていますが、参列者の立場であれば特段そちらを気にしなくてよいでしょう。ただ、時間の兼ね合いもあるので多くても3回まで。また、会葬者の多い式においては1回での焼香をお願いされる場合もあるので、その場合は案内通りにしましょう。

お焼香の後は、通夜振る舞いの食事の席へ案内されることがありますので、時間に余裕があれば是非立ち寄りましょう。なぜなら、遺族の方がせっかく用意してくださった料理であり、食事を共にしてお話をすることが、亡くなった故人の供養とされるからです。

以上が一般的な仏式でのお葬式に関する参列のマナーです。こちらの流れを押さえておけば、まず間違いはありません。

お葬式にも色々な形式があります

お葬式には色々な形式があります。大まかに分類をすると、仏教式、キリスト教式、神道式、友人葬(創価学会)、無宗教式です。こちらに該当しないケースも稀にありますが、日本の場合、約9割方は仏式のお葬式になります。

以下に各宗教ごとの簡単な式の流れをまとめてみました。

これを機会に、自分自身の家の葬儀形式についても調べてみるとよいでしょう。

葬儀形式 場所と特徴 式の流れやお参り方法

仏教式

葬儀の式場や会館で執り行われることが多い。稀にお寺の本堂にて行うこともある。

祭壇としては、昔は白木祭壇が一般的だったが、最近では生花を飾る祭壇を多く目にする。

お坊さんがお経をあげている間に、お焼香の案内がされる。一般の参列者の場合、お焼香の後に通夜振る舞いの食事の席へとつくことが多い。

袋の表書きとしては基本的に『御霊前』とする。例外的に、宗派が浄土真宗の場合においてのみ『御仏前』とするのが望ましい。

これは、故人が亡くなった後にはすぐに「仏様」になるという浄土真宗の考え方に基づいてされるもの。

キリスト教式

基本的には教会にて執り行われることが多く、葬儀の式場や会館で参列するケースは少なめ。

賛美歌や神父(プロテスタント系の場合は牧師)による聖書の朗読などを中心に進行される。

式中にお花を台に手向ける『献花』をすることがほとんど。

仏式と違い、通夜振る舞いのお食事がない場合もある。袋の表書きは『お花料』とするのが望ましい。

神道式

死を穢れとする考え方に基づき、基本的に神社などで執り行われることはなく、式場へ神主が出向いて行われる。

白木の祭壇が飾られており、その前には『ご神饌(お米や野菜、魚など)』がお供えされている。

神社の神主が祝詞をあげ、大榊を用いてお祓いをする。お参りとしては、その進行の中で、『玉串』と呼ばれる小さな榊の枝を神前へと手向ける。

作法としては、通常の神社参拝と同じく2礼2拍手1礼の場合が多いが、2拍手の際に音を立てずに手を合わせる『忍び手』でするのが基本。

仏式同様通夜振る舞いの食事はある。袋の表書きは『御玉串料』とするのが望ましい。

友人葬
(創価学会)

一般的な斎場や式場で執り行われる。祭壇の上部には必ず『南無妙法蓮華経』と記された本尊を祀る。

また、生花ではなく『樒』が飾られていることが多い。

創価学会の会員が、中心となる導師(儀典長)と一緒に自分達でお経を唱える。お参りの方法としてはお焼香が基本。

通夜振る舞いの食事に関しては会員の方々は食べず(お香典のやりとりもない場合もある)、一般的な参列者と遺族向けにのみ用意されているケースが多い。袋の表書きは『御霊前』が望ましい

無宗教式

場所を問わず執り行われる。宗教者がいない式のため、葬儀の進行について基本的には自由。

お別れ会という名目でされる場合もある。

決まった流れがないため、進行の様子は色々。例えば、お別れの言葉を述べたり、スライドショーを上映したりなどがある。

お参り方法としては、壇上に献花する場合もあれば焼香の場合もある。

通常通り通夜振る舞いの食事の席が設けられることが多い。

袋の表書きは『御霊前』とするのが望ましい。

このように宗教の形式ごとに、式の内容も大きく違ってくるので注意が必要です。 各形式に応じて、亡くなった故人を偲びましょう。

葬儀に参列する際に知っておくことのまとめ

葬儀に参列する際に一番大切なのは、遺族への気遣いを忘れないことです。服装などの最低限のマナーはもちろんのこと、お香典の表書きに関するマナーや、対面した際の言葉掛けにも細心の注意をはらうように気をつけましょう。

最近では葬儀の小規模化が進み、一般葬ではなく家族葬や一日葬という形式で葬儀を執り行う方も増えてきています。また、葬儀の形式に関しても仏式だけでなく神式やキリスト教式、無宗教式など様々あり、それぞれ参列時の作法や式の流れが異なります。内容を事前に知っているかどうかで心持ちも大きく変わってくるでしょう。

そうした様々な事情もしっかりと把握した上で、適切に故人を偲ぶという気持ちをもって葬儀に参列することが重要です。

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【監修】池原充子(終活専門相談員)

池原充子

これまでの略歴

身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了

兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒

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