遺影とは、故人の写真や肖像画のことです。故人を偲ぶお通夜や葬儀の場で使うだけでなく、自宅の仏壇や居間に飾る目的もあります。ただ、最近は家に仏壇を置かなかったり、居間や仏間がなかったりするケースが増えています。
・遺影はどこに飾るべきなのか
・処分したいときはどうすればいいのか
・遺影の扱い方にタブーはあるのか
など、気になる点はたくさんありますよね。今回は、遺影の基本を5つの項目で徹底解説します。大切な故人と家族をつなぐ遺影の基本を知って、正しい扱いをできるようにしましょう。遺影を飾る場所や処分する方法、タブーについても詳しく紹介するため、ご参考にしてください。
遺影とは?基本を5つの項目で徹底解説【飾る場所・処分方法・タブー】
遺影とは?
遺影には、お通夜や葬儀の祭壇に飾ることと、自宅の仏壇やリビングに置いておくことの2つの役割があります。遺影に宗教的な意味はなく、必ずしも飾らないといけないわけではありません。ただ、お通夜や葬儀の場に遺影があると、故人の存在を強く感じられるメリットがあります。
自宅に置いておけば常に故人を身近に感じられ、一緒に過ごしているような感覚になれることも、遺影を飾る理由となっています。遺影に使う写真は、故人らしさ溢れるものを選ぶのが理想的です。
着用する服装などに決まりもないため、自由に素敵な写真を選んで使うようにしましょう。亡くなってから準備をすると、慌ててしまって写真を十分に検討して選べない可能性があります。遺影はできれば生前に、本人の希望を尊重できるように準備しておけるとベストです。
遺影を飾る場所
遺影を飾る場所に決まりはなく、基本的にはどこに飾っても問題ありません。仏壇周辺に飾ることが多いようですが、家族団らんの空間で一緒に過ごしたいと、リビングなどに飾る人もいます。ただし、遺影を飾るご遺骨安置檀は、四十九日まで飾るのが一般的です。
四十九日が終わった後は、仏壇周辺や仏間、床の間に飾るケースが最も多くなっています。
宗派によっては決まりがある
遺影を飾る場所は自由ですが、宗派によっては、遺影の向きなどに決まりがあることもあります。
例
- 洞宗…遺影は南向きに置く
- 真言宗…拝む方向の延長線上に宗派の総本山が来るように飾る など
宗教や宗派による遺影の飾り方が気になる場合は、僧侶に相談して教えてもらうのが確実です。ただし、家の間取りや都合で置くのが難しいは、無理に従わなくても構いません。日当たりが良く、家族の目が届く場所に置くのが理想的です。
遺影を飾るのはよくない?
遺影を自宅に飾るのは、縁起や風水的によくないと言う人がいますが、そんなことはありません。遺影は決して不吉なものではなく、故人と家族をつなぐ大切なものです。飾るかどうかは個人の自由なので、家族で話し合って決めるようにしましょう。
最近は遺影の代わりに、小さな写真立てを置く人もいます。従来の遺影にこだわらず、家に馴染む形で飾るのもおすすめです。
遺影を処分する方法
遺影は、お通夜や葬儀が終わった後は処分しても問題ありません。ただし、一回忌や三回忌など、法事で使う可能性もあるため、よく考えて処分するようにしましょう。
遺影の処分方法は、一般的に以下の3つになります。
- 自分で処分する
- 葬儀社に回収してもらう
- お寺や神社でお焚き上げしてもらう
遺影は自分で処分しても問題ありませんが、おすすめは葬儀社に回収してもらう方法です。葬儀を依頼した会社であれば、サービスとして無料で回収してくれることもあります。※葬儀を執り行ってから長い時間が経過していない場合
捨てることに抵抗があったり、葬儀社への回収依頼が難しかったりする場合は、お寺や神社でのお焚き上げも可能です。供養してから燃やしてもらえるので、気持ち的にも抵抗が少ない方法です。
民間のお焚き上げ専門業者に依頼することもできます。大切な遺影を後悔なく、敬意の気持ちを持って、処分できそうな方法を選ぶようにしましょう。
遺影のタブー
遺影の飾る場所や扱い方に、タブーは基本的にありません。敢えて言うのであれば、遺影を仏壇の上に飾るのは、なるべく避けた方が良いとされています。
理由は、仏壇の中はお浄土の世界を表しているため、その上に置くのは失礼にあたるからです。ただし、真上でなければ仏壇の上に置いても、あまり問題ないとされています。
仏壇の上ではなく、周辺など他の場所に飾れるのがベストですが、置く場所がない場合は深く気にしなくても大丈夫です。
遺影には故人と家族をつなぐ大切な役割がある(まとめ)
遺影に宗教的な役割はなく、飾るかどうかは個人の自由になります。絶対に必要なものではありませんが、お通夜や葬儀の祭壇には遺影があった方が、遺族や参列者が故人の存在を感じやすいため、おすすめです。
家に遺影を置く場合は、仏壇の周辺や床間に飾るのが一般的です。ただし、遺影を置く場所に決まりはなく、リビングなど好きな場所に飾っても問題ありません。
遺影は一般ごみとして処分できますが、抵抗のある人はお寺や神社で供養してもらいましょう。遺影は決して不吉なものではなく、故人と家族をつなぐ大切なものです。家族の想いや意見を尊重して、飾る場所や処分方法などを検討するようにしてくださいね。
今日のポイント
- 遺影はお通夜や葬儀の祭壇に飾ったり、故人の存在を感じるために自宅に置いておくもの
- 遺影を飾る場所に決まりはなく、基本的にはどこに飾っても問題ない
- 遺影は一般ごみとして処分するかお寺や神社で供養してもらう
- 遺影のタブーは基本的にないが仏壇の真上に飾るのは避けたほうがいい
【監修】池原充子(終活専門相談員)
これまでの略歴
身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了
兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒
これまでの略歴
身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了
兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒
葬儀に関連する記事
遺影写真はアプリの加工をしてもいい?作成のポイント7つを解説!
[作成日]2022/09/01
生前に遺影を用意するメリット3つ【料金・メイク・撮影の流れ】
[作成日]2022/08/08
祖父が亡くなった際に必要な手続きや忌引き休暇申請についてご紹介
[作成日]2022/07/19
お布施を入れる封筒とは?入れ方から渡し方のマナー3選
[作成日]2022/06/01
命日にすることとは?祥月命日と月命日の違いやそれぞれの過ごし方について
[作成日]2022/05/09
四十九日のお供え物は喪主に渡していい?知っておきたい「のし」に関するマナーも解説
[作成日]2022/03/23