納骨はいつまでに行うべき?おすすめの時期を解説

葬儀をした後は、喪主の自宅などに骨壺を安置し、一定期間は骨壺に向かって焼香やお供え物をすることになります。四十九日法要と同時に納骨式を行い、以後は仏壇に位牌を安置して故人を祀るのが一般的です。

しかし、納骨は必ず四十九日法要と同時に行わなければならないものではありません。四十九日法要までにお墓を建てるのが間に合わなかったり、「もう少し故人と一緒にいたい」という遺族の希望から納骨しなかったりすることも多くあります。

この記事では、納骨におすすめの時期を四十九日の他にも複数ご提案します。家族のタイミングに最も合うと感じる時期を選びましょう。

納骨に期限はない

納骨はいつまでに行うべき?おすすめの時期を解説01

そもそも、納骨の期限は決まっていません。いつまでも遺骨を自宅に置いておいても、法律に違反することはありません。

しかし多くの人は四十九日法要と同時に納骨を行います。また、長く納骨せずに自宅に骨壺をそのまま安置しておくと「納骨はまだ?」「早く納骨した方がいい」などと親族から急かされ、咎められることもあります。

なぜかといえば、遺骨をいつまでも自宅に安置し納骨しないことは、昔からあまりよくないこととされてきたためです。

  • 「早くお墓に入れてあげないと成仏できない」
  • 「いつまでも家に遺骨があると、悲しみから解放されない」

などと言われてきました。

「まだ遺骨と一緒にいたい」と感じている人のなかには、親族や友人から「早めに納骨した方がよい」と勧められ、辛い思いをしている人もいるかもしれません。しかし納骨にはそもそも期限がなく、家族の気持ちが落ち着いてからで全く差し支えがないことを、心に留めておきましょう。

納骨におすすめの時期

あくまで納骨には期限がないことを確認した上で、納骨におすすめの時期を4つご紹介します。

四十九日法要

多くの人が四十九日法要と同時に納骨する理由は2つあります。1つは、日本の多くの仏教宗派では四十九日法要のときに本位牌(葬儀のときに使う白木の位牌ではなく、漆塗りの位牌)へ故人の魂を移し、以後は仏壇に安置した位牌を参拝することになるためです。

もう1つは、法要と納骨式をまとめて行った方が、親族が集まる機会を減らせるためです。自宅やお寺、法要会館で法要を行った後、お墓へ出向いて納骨します。

四十九日法要の日に天候的な理由で納骨が困難なときは、後日、家族のみで納骨を済ませて親族に報告します。

一周忌法要

四十九日法要までにお墓の建立が間に合わないとき、多くの人が一周忌法要と同時に納骨を行います。四十九日法要と同様、法要と納骨式をまとめて行った方が効率的なためです。

四十九日までの納骨では気持ちの整理がつかず、もう少し遺骨をそばに置きたいという人も、一周忌法要での納骨を検討してみてはいかがでしょうか。

葬儀当日

葬儀当日に納骨を済ませてしまうケースもあります。地域的なしきたりによる場合が多いですが、葬儀や四十九日法要にあまり人を呼ばない場合にも選択されます。

納骨は、葬儀と火葬が終わり、精進落としと呼ばれる会食が済んだ後に行われます。夕方の納骨となるため、冬はとくにあまり暗くなってからの移動にならないよう葬儀日程を調整する必要があります。

葬儀当日に納骨を済ませたら、四十九日までは白木の位牌と遺影を中心に祈りを捧げます。

お墓が完成したとき

お墓が完成すると、開眼供養という法要が行われます。開眼供養は、お墓をただのモノから参拝の対象にする儀式です。この開眼供養と同時に納骨式を行う場合があります。 法要と同時に行うことで、法要、開眼供養、納骨式の3つの儀式を同日に済ませるケースもみられます。

納骨時の持ち物

納骨はいつまでに行うべき?おすすめの時期を解説03

納骨時の持ち物は、お墓参りと同じです。ロウソク、線香、マッチやライター、花束、お供え物、仏式であれば数珠を持参します。通常のお墓参りよりも、花束は大きめ、お供え物は多めにしましょう。

服装は喪服が一般的ですが、法要と同時に行わない場合や、納骨に出向くのが家族だけの場合は、平服でも構いません。平服とは、セレモニー用の礼服ではない、かしこまった服装のことです。男性はスーツ、女性はワンピースを着用し、仏事なので地味な色合いでまとめます。

喪服にするか平服にするかは、施主が参加者に案内を出しましょう。

納骨しないという選択肢もある

納骨はいつまでに行うべき?おすすめの時期を解説04

納骨せず、ずっと自宅に骨壺を安置して供養するという方法もあります。この方法は、手元供養と呼ばれています。遺骨と離れるのが寂しいと感じる人は、検討してみてはいかがでしょうか。

手元供養にはさまざまな種類があります。骨壺をそのまま安置しても手元供養はできますが、工夫したいときはお気に入りの骨壺を購入して遺骨を移し替えたり、遺骨の一部だけを小さな骨壺に納めて小さなステージに祀ったり、遺灰をペンダントに込めて肌身離さず持ち歩いたりもできます。

遺骨のほとんどをお墓に納骨して、一部だけを手元供養とすることも可能です。ご自身が安心して供養できると感じられる方法を探してみてください。

【まとめ】気持ちを大事に、自分のタイミングで納骨を

納骨に期限はありません。自分の気持ちが整理できたときに、いつでも納骨を行ってよいものです。ただ、タイミングとして近々法要があったり、お墓の完成が近かったりするときには、他の儀式と同時に行うと効率的です。

もし家族だけで納骨をすることになったら、納骨の後には他の親族にきちんと報告しましょう。他の親族は、お墓参りに行けるタイミングを待っているかもしれないためです。手元供養をすることになった場合も、親族にしっかり事情を話し、自分の心情を理解してもらうのがおすすめです。

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【監修】奥山晶子(終活カウンセラー、FP(2級))

奥山晶子

これまでの略歴

葬儀業界を経験した後、出版社勤務を経て終活全般のライターへ。2012年より2年間「葬送の自由をすすめる会」理事。終活カウンセラー、FP(2級)。近著に『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』(オークラ出版)がある

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