終活やることリストは、これから終活を行う人や既に終活を終えている人にも便利なリストです。チェックリストを確認しながら終活の計画を立てたり、抜け・漏れを防ぐことに活用して欲しいと思います。
終活のやることリスト【5分野18項目】
老後の生活に大事なこと(お金・保険・住まい)
老後の生活に必要なお金はどの位ですか?そのお金の準備や確保できる見込みはありますか?
「老後の生活に必要なお金」と言われると漠然とした不安を抱きますが、1ヶ月の生活費はいくら位になりそうかを考えてみましょう。現在の生活費を参考に老後になったら不要になる支出、新たに必要になったり金額が増えそうな支出を大まかに計算してみます。例として、不要になる支出はガソリン代・駐車場代など(運転免許を返納する場合)、金額が増えそうな支出は医療費・光熱費などが挙げられます。
老後の収入はどうでしょうか。年金はいつからどの位支給されるのかを確認したり、パートで稼ぐ場合はどの位の収入になりそうかを検討してみましょう。
医療保険・生命保険は現在と今後の自分にあったプランに加入できていますか?
現在加入している保険はどのような場合にどの位の保障がされるプランでしょうか。数十年前に良いと思って加入したプランが現在や今後の生活に合っていない場合があります。特に医療は日々進化していますので、新しい治療方法が保障されない可能性もあります。
「医療保険の保障期間が終身かどうか、先進医療特約に入っているか(高額ながん放射線治療などもカバーされます)などの確認をしておくとよいでしょう。」
家の片付けは済んでいますか?
家を片付けることは自分の死後に残された家族の負担を減らし、これからの自分の生活が快適になるという2つのメリットがあります。家中をすべて片付けるには体力と時間を要しますので、できるだけ早いうちに取り掛かることをおすすめします。
また、形見分けしたい物や大切な書類等を整理しながら片付けをすると効率的です。
もしもの時に準備しておきたいこと(介護・医療)
かかりつけ医を見つけていますか?
かかりつけ医とは、「健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師のこと」です。
出典:日本医師会HP(https://www.med.or.jp/people/kakari/)
かかりつけ医を持つことで、あなたの以前からの体調や病気を踏まえた早めの治療につなげることができます。まだかかりつけ医を見つけていない人は、検診や予防接種などで複数の医療機関を受診し先生の人柄や自宅からの通いやすさなどをチェックしてみましょう。
自宅で倒れた時、医療機関へ搬送してもらう方法が整っていますか?
誰もいない自宅で倒れた時、いち早く医療機関へ搬送してもらうことができるかで生死が左右されます。特に1人で自宅にいることが多い人や一人暮らしの人は要注意です。
対策をとる時の例としてホームセキュリティー会社やガス会社が提供する見守りサービス、自治体の福祉課による訪問・在宅支援があります。また、食材・食事などの訪問サービスでも異変に気が付いてもらえる可能性があります。
次のことについて考え、自分の意見をもっていますか?
- 誰にどこで介護してもらいたいですか?
- 余命宣告や臓器提供・延命治療を希望しますか?
- 誰にどこで看取って欲しいですか?
家族に負担をかけない、自分らしい最期のためにできること(葬儀)
遺影写真の準備はできていますか?
遺影写真はお通夜の時から必要になります。それまでに写りの良い写真を家族が見つけることは大変な作業です。また、もっと写りの良い写真を遺影にしてあげたかったという遺族の後悔が多いのも現状です。
遺影写真の準備はこれから新たに撮影しても良いですし、過去の写真から選ぶこともできます。写真はネガやデジタルデータのないスナップ写真でも構いません。できれば正面を向いて上半身全てが写っている写真が好ましいですが、ピースサインの手や他人の体で隠れてしまった部分などを加工・修正することもできます。
葬儀に呼びたい人・訃報を知らせたい人のリストはできていますか?
あなたの友人関係や勤め先の人を家族はどれくらい知っているでしょうか。数人の名前くらいは知っているかもしれませんが、連絡先までは知らないことがほとんどだと思います。
葬儀は亡くなってから数日の間に行われます。家族が誰に葬儀のことを伝えて良いか困らぬよう、また、あなたが葬儀に呼びたい人へ確実に知らせることができるよう、名前と連絡先をリストにしておきましょう。あなたとその人との関係性(例:大学時代の友人・高校時代の恩師・会社の同僚など)も加えておくと家族が連絡をする時に助かります。
葬儀の生前予約をしている人・すでに戒名を持っている人は家族に伝えてありますか?
葬儀の生前予約や戒名も家族が知らなければ、新たに家族が依頼することになります。生前にせっかく行ったことが無駄になってしまいますので、きちんと家族に伝えておきましょう。
葬儀は依頼している葬儀社やプランが記載された契約書の保管場所を知らせます。戒名は自分の供養先(菩提寺・納骨堂など)と戒名を授与してくれたお寺が異なると使えない場合があります。事前に確認しておきましょう。
次のことについて考え、自分の意見をもっていますか?
- どのような葬儀を希望していますか?(一般葬・家族葬・直葬・生前葬)
- 葬儀の規模や予算はどれくらいですか?そのためのお金は準備していますか?
お墓は自分で建てる時代!?先祖と自分のお墓問題(お墓)
どのように供養されたいかを考え、その旨を家族に伝えていますか?
供養方法には先祖代々のお墓・新しく建てるお墓・合祀・納骨堂・散骨・樹木葬・手元供養など、さまざまな種類があります。どんな選択をするとしても、その旨を家族に伝えておきましょう。あなたが望む供養方法を家族が望まない場合もあります。
先祖代々のお墓以外を希望する場合、候補のお墓等を探していますか?
新しい供養先を希望する場合、複数の供養先を見学して候補を決めておきましょう。購入する時は一人で決断せず、事前に家族と話し合いをしてから購入しましょう。購入費の他に、購入してから納骨されるまでの間の管理費が必要になる場合がありますので、費用についても考えておきましょう。
今あるお墓(先祖代々のお墓など)の継承者がいない場合、墓じまい(改葬)は済んでいますか?
継承者がいないお墓は無縁墓となり、最終的には納められている遺骨は合祀され墓石は処分されてしまいます。継承者が自分で途絶えてしまう場合や遠方にあって管理ができなくなっているお墓は墓じまいをして、納められている遺骨をきちんと供養しましょう。墓じまいには時間とお金がかかりますので、できるだけ早いタイミングに取り組むことをおすすめします。
次のことについて考え、自分の意見をもっていますか?
- 誰と一緒にお墓に入りたいですか?(配偶者・家族・先祖・ひとり)
- 今あるお墓や自分が入るお墓の継承者は誰にお願いしたいですか?
家族が遺産・遺品をめぐって揉めない方法(相続・エンディングノート)
遺品として譲りたい物の整理はできていますか?
遺品として譲りたい物(アクセサリー・洋服など)は、できるだけまとめておきましょう。誰に何を譲るのかリストを準備しておくと家族が困りません。また、当人にその旨を伝えておくと良いでしょう。
エンディングノートは書きましたか?
エンディングノートには2つの役割があります。自分の死後に残された家族が困らないようにすることと、自分の意思を伝えることです。また、これまでの人生を振り返るきっかけにもなり、今後の生活が明るく前向きなものになる人も多いようです。
エンディングノートは市販のものを使っても、大学ノートに書いても、パソコンで作成しても構いません。書き方や書く内容にルールがなく自由であることが特徴です。当記事内の「次のことについて考え、自分の意見をもっていますか?」の内容も記しておくと良いでしょう。
ちなみに、エンディングノートには法的効力がありません。つまり、エンディングノートに書いた内容通りになるかはわからない、ということです。法的効力を持たせたい場合、相続に関すること・未成年後見人指定は遺言書で行うのがおすすめです。
遺言書の準備はできていますか?
相続は「争族」とも呼ばれるほど、争いが起こりやすいです。自分の死後、家族が相続をめぐって仲が悪くならないよう遺言を準備しておきましょう。遺言書では家族に何を・どれくらい相続させるかを指定するだけでなく、法定相続人であっても相続させないという指定をすることもできます(虐待や重大な侮辱を受けたなどの正当な理由がある時)。法定相続人以外の人(息子のお嫁さん・内縁の妻・お世話になったヘルパーの人・福祉団体など)に相続したい場合にも遺言書は有効な手段です。
遺言書はエンディングノートと異なり法的効力があります。つまり、基本的には遺言書の内容通りになるということです。しかし、法的効力がある分、書き方が厳密に決まっていたり、費用がかかってしまったりもします。遺言書の作成には時間がかかりますので、できるだけ早いタイミングに取り組むことをおすすめします。
次のことについて考え、自分の意見をもっていますか?
- 自分の死後、価値のあるもの(骨董品・コレクションなど)の処分方法(誰に譲るのか・オークションに出品・施設へ寄贈など)
- 自分の死後のペットのお世話(誰にお世話を依頼するのか・エサ代などの費用のこと)
まとめ
ご紹介したやることリストの内容は、必ずしもすべての人に当てはまるわけではありません。それぞれの生活環境・立場・考え方によっては不要なこともあれば、反対に他にもすべきことがあったりもするからです。しかしながら、ご紹介した終活でやることリストを参考にしたり、考えるきっかけになれれば幸いです。
自分の死後に家族が困らないためには何をすればよいだろう、これからの自分の生活の不安を取り除きながら、より快適に前向きに過ごすためには何をすればよいだろう、このようなことを考えながら一人ひとりが行う活動を終活と呼ぶのではないでしょうか。
終活ですべきことを全部完了させるには時間がかかると思いますが、是非はじめの一歩を踏み出してほしいと思います。
【監修】池原充子(終活専門相談員)
これまでの略歴
身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了
兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒
これまでの略歴
身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了
兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒
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